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岡真理さんの講演会の感想2024/12/22

2024年12月22日(日)に名古屋国際会議場でおこなわれた岡真理さん「ガザ、真正のジェノサイド」という講演会に行ってきた。

講演会のチラシ画像

今回の講演では、パレスチナの人々が日々無残に殺されているだけでなく、住宅の破壊や、医療システムの破壊、環境破壊などを通じていかに生の基盤を奪われているか。そのようなメディアが積極的に報じない(センセーショナルではない)破壊行為についての語りにとくに重点が置かれていたように思う。

序盤の話で自分がハッとしたのは、パレスチナの問題の歴史的経緯についてメディアが取り上げるとき、必ずユダヤ人の歴史が採用されているという指摘だ。よく考えたらこれはとてもおかしなことなのだが…(だって、素直にドキュメンタリーを撮るならそりゃ歴史の主題はパレスチナになりますよね?)このようにしてメディアや私たちがユダヤの物語としてパレスチナで起こっていることを語るとき、パレスチナの長い歴史などまるでなかったかのように無視されてしまうことになる。というか、私たちは世界史の授業でユダヤのことは学ぶけど、はたしてパレスチナのことなど先生の口から一回でも聞いただろうか?

講演の中で岡真理さんはイスラエルによる文化の破壊について力を入れて説明していた。いま、長い歴史をもつモスクや教会がイスラエルの攻撃によって次々と瓦礫の山にされている。正直、私はこれまでそういった歴史的建造物の破壊にたいしては軽く見ていたところがあった。けど、今回の講演でそれが大きな間違いであることに気づいた。パレスチナの(ユダヤ教を信仰していた人を含む)長い歴史を奪い、その代わりにシオニズムが描いたユダヤ人の物語に塗り替えてしまう。イスラエル第五代首相ゴルダ・メイール曰く、「パレスチナ人などというものは存在しない」。これが入植者植民地主義でなくてなんなのだろうか。

岡真理さんが言った「私たちはパレスチナのことなんか簡単に忘れてしまう」という言葉を忘れないようにしたい。その「私たち」の中には私もあなたも入っている。

追記
今回の講演内容に近いことが以下のサイトで読めるのであわせて読んでみてください。

【特別公開】ナクバという《ジェノサイド》——抗すべきは「大量虐殺」だけではない(岡 真理) | WEB世界
https://websekai.iwanami.co.jp/posts/8533

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